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本日は、「日本人のへそ」を観てきました。

「こんな時に!!」と思う方もいるかもしれませんが、こんな時だからこそご縁のある舞台は観ておこうと思うのです。

「こんな時に芝居しようって人達がいるのよ!私は行くわ!」(by 亜弓)

てなもんや。
経済活動に参加してきましたよ、と。巡り巡って東北支援にもなるやもしれないし。
テレ朝協賛でドラえもん募金箱も設置されてたので、直接的支援もぬかりなく!!


遅くなりましたが、被災された方には心からお見舞い申し上げます。
一日も早く、生活・状況・環境が改善されることをお祈り申し上げます。



さて、まだ公演が続いているのと、地方公演もあるので、ネタバレ的な方向ですので、これからご観劇の方はお気をつけてくださいまし。
でも、あらすじらしいあらすじはしませんが(爆)できれば、公式HPとかレビューググッてください(おい)

拍手[2回]


さて、この舞台。ぶっちゃけ、あらすじを、と言われても言うに言えない部分が多々あります。
なぜなら、あらすじと思っていた部分がどんでん返されて、本質を見失いやすくなるので;

話のペースとしては、東北から集団就職で上京してきた田舎娘が、都会に揉まれ、擦れていき、男たちの欲望に振り回されつつも、その体と美貌で代議士の愛人にまで上り詰める、たくましく生き抜く話…なんですが。
これを、「吃音障害は、自分の感情から遠く離れた感情に置いた言葉はすんなり出る。だから芝居をすることでそれの改善を図る」ということで、劇中劇として“芝居”をするわけです。
役者は場面が変わるごとに、役が変わります。一人何役もこなします。
さっきは田舎のおばちゃんだと思ったら、今度は通行人、かと思えばストリッパー、といったように。
しかし、2幕でがらりと雰囲気が変わり、実はその「芝居」そのものが代議士の策略で、愛人が他の男と出来ているのを探るための芝居をしていて…と展開が二転・三転・四転します。
最後の最後に、舞台セットそのものが後ろに下がっていき、両脇に舞台裏が見える…そう、今までの全てのことが虚構であった(かもしれないよ?)、というオチで終わります。
何が真実で何が正しいのかがわからない構造になっています。
しかし、一貫してるのは、まともにあらすじを言うとプロレタリアな薄暗い時代背景。そして、そこに振り回されてみじめな思いをしつつも、たくましく生き抜いていく、人々の力強さ。そういったものが、舞台のあらゆるところに隠されています。

ですが、薄暗い表現は一切しません。
ストーリーと設定説明そのものはほとんどが歌で進み、台詞の部分はほぼコントです。
薄暗さで一瞬張り詰めた空気を、笑いと言う緩和で吹き飛ばします。
「滑稽」なのです。
別に、懸命に生きる人を笑い物にしているのではなく、笑いの緩和がなければ、しんどい状況を切り抜けるのは難しい、人はダメになる、だから「泣くのはいやだ、笑っちゃおう」そのものなのです。

世の中の、おかしな、納得のいかない理不尽なこと、それを皮肉りつつ、笑える「おかしさ」に変換した見事な技法。
理不尽に振りまわされる人の悲劇は決して忘れることなく、常に訴えかけているのに、芝居は笑いで満ち満ちているのです。
この井上ひさしの鬼才・奇才っぷりには脱帽です。

とはいえ、脚本だけがいいわけではありません。
1幕はピアノ奏者が出ずっぱりで生演奏をしています。
このピアノ奏者(をやっている人)が、全ての曲を書いたそうですが、これらの曲がまた秀逸。
耳慣れた、時代背景を思わせる、そして日本語に合わせた曲調。
実は、ミュージカルってーと歌の部分で寝てしまうことが多い私なんですが;;(だって日本語わかりにくいんだもんよ。いい声だからα波出るし;)今回は一切眠くなりませんでしたw

そして、役者さん、特に年配の方々が異常にパワフル。

これがおれたちの復興支援だ!!

と言わんばかりのエネルギッシュな芝居。
中日でこんなに中だるみしてない芝居、観たことないよ!!www
さらに、非常に巧み。
役者同志の呼吸も合わせながら、観客の呼吸も見事に合わせていて、一瞬で観客を舞台の世界に取り込みます。
「笑わないとソンよ!てか、笑いのポイント見逃さないでね!」と張り切っていますww

実は、この舞台に上がっているとある女優さんと友人なので、そのご縁があって(少々、余震と電車の間引き運転ににおびえつつも)観に行ったんですが、その友人曰く「おじ様達がパワフルなので、若手の自分が疲れたとか言えない」そうなwww

また、演出も非常に素晴らしい。
基本的に歌でストーリーが進むと言いましたが、昭和30年代初頭頃の当時の浅草の喧騒具合や、ストリップ劇場のストリッパーやコメディアンの悲哀などを、歌詞や口上だけでなく、余すところなく表現しています。
部分的に、30代以下にはわからないんじゃなかろうか、というところがあるのですが、芝居から直感的に感じるもので、雰囲気は充分理解できるのではないだろうかと思うほどです。
まあでも、予備知識としてその辺りの風俗や情勢は知っておいた方が、時間の流れが分かっていいですけど。細かいところとかもね。
20代に国鉄の切符切りとか集団就職とかは分かるまい…。
(言っておきますが、私はもともと昭和史、特に戦後あたりの風俗に興味あるので、本やTVで知ってただけですから!!親は生き証人だしww)

何もかもが素晴らしく、圧倒されました。
奇しくも、主人公が東北出身という偶然がありますが、これは被災地の方に観て頂きたい舞台です。元気出ます。
山形公演は残念ながら中止になってしまったそうですが…いずれ機会があれば!

そしてこれから観劇されるかた、観てみようという方には

考えるな!感じろ!

という、観劇ポイントを申し上げておきますwww
その方が、事の本質をとらえられる気がする舞台です。
まあ、ハイテンポで進むので、理屈で考えてる暇はないんですがw

余談ですが、初めて楽屋訪問しました。
舞台裏とか通って案内されたよ!ガチャガチャ具合が半端ない!
なのに全部間違えずに早着替えとかやってのけるんだからスゴイ。
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